多々買いは数だよ兄者

置き場がない 置き場がない ホントのことさ

ホーム・スイート・ホーム

英雄など必要ない





・ヴェイガン侵攻後の地球
劇中ではディーヴァ視点で話が進んだのでほとんど描写されなかったのですが、ビッグリング陥落後の地球は補給線を維持できず部隊をもてあますヴェイガンと、自治体レベルで反撃しなければならない連邦軍の泥沼地獄絵図。かなり悲惨なことになっていました。小説版だとザラムとエウバは最後まで話に絡んできます


・生き別れの父子
アニメだと生き別れの割にけっこう仲良し親子だったアセムとキオも、小説ではギスギスした雰囲気。家族を捨てて海賊に成り下がり、EXA-DBを手に入れてさえいない父を糾弾するキオは年相応に描けていてよかったかな。外伝『追憶のシド』の内容にも触れられているけど、これまた微妙に細部が異なるそうな


・メカニック関連
ガンダムAGE-FXのCファンネルはそのものがシグルブレイド。「ファンネル」の名称は銀の杯以前に存在した同様の兵器に倣っただけであり、由来は不明。劇中ではやたら強力だったスタングルライフルは小型化したシグマシスライフルという位置づけに。FXバーストモードは単なるフルパワーモードではなく、意識の共有、共感を補助するサイコフレーム共振やトランザムバーストのようなものになっていました
この他ちょい役ながらレギルスコアが使われたり、劇中ではさっくり倒されたヴェイガンギア・シドが圧倒的・絶望的な強さだったりと充実しています


アセム・アスノとゼハート・ガレット
アニメ以上に仲良しに描写されていた二人の関係は言わずもがな。最後の戦いもあくまで私闘、男と男の信念のぶつかり合いという清々しい幕引きでした。このシーンの挿絵が少年時代のアセムvsゼハートだったのが嬉しかった
小説版のゼハートはイゼルカントの狂気を否定しながらも父と慕った男の理想を叶える道化を演じ、アセムはその真意を知り、理解を示した上でゼハートを討つ。結局のところこの二人は父の願いを叶えようとして、その呪縛に捻じ曲げられた似た者同士だったという


・救世主フリット・アスノ
死者たちとの脳内会議で改心というあんまりな展開だったフリットの翻意も、小説版ではFXバーストモードの光の中でかつての自分、救世主になろうとしていた頃のフリットに復讐心、独善、傲慢を否定され打ち砕かれ、母を喪った日に立ち帰り救世主としての自分を取り戻すという展開に
改心したフリットの言葉に全軍が耳を傾けたのも、FXバーストでフリットの真意が誤解なく伝わったからということになっているのでアニメのようなご都合主義感は薄い。ただ、無理のない展開とは言え、やってることはトランザムバーストとほとんど一緒なのでアニメでやったらやったで叩かれていたような。小説だから許されたような代替案です


思うことは色々あるけど、大筋を変えずに設定と描写の補強だけでここまでのものにした小太刀先生すごいなあ、と